続・わるいおっぱい

一通りの治療を終え、やっとカタがついたので。
闘病記とやらを記して、今年を終えようと思います。

 

晒すのも痛々しい気もしますが。
始めたからにはオチをつけないと気が済まない。
というわけで、続編。そして完結編(でお願いしたい。)

 

なお、かなりヘラヘラとした闘病記になっていますので、今闘病などで苦しんでる方にはイラッとする内容かもしれません…。
もし、不快な方がいらっしゃいましたら、お詫びを申し上げます。

 

わるいおっぱい①はこちら

https://mistycafe.hatenablog.com/entry/2021/12/26/000000_1


 

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前回のおっぱいポスト(言い方)から、ずっと定期的に検査をうけておりました。

 

とはいっても、半年後以降は年1のスパンで「超音波(エコー)」と「マンモグラフィー」を受けるのみ。

通常の乳がん検診のスパンと変わりませんでした。専門病院であるということ以外は。

 

そして、2年の歳月が過ぎ…2020年12月の検診で、コトは動き出した。

 

主治医 「うーん?しこりの影が大きくなってるっぽいねぇ…」
私   「まじすか~?」
主治医 「今回は徹底的に調べよっか~。若い(注)から、良性の可能性も高いし。さすがに長く通ってるからはっきりしたほうがいいでしょ?」
(注:対高齢者。先生曰く、おばあちゃんになるとほぼ悪性なんだそうです)

 

というわけで、東京医科歯科大(なお初回は予約いれるだけで半日かかってブチ切れそうになりました。大病院ェ)にて、さらに詳しい生体検査…エコーかけながら組織針での検査実施となりました。

 

この詳しい検査とゆーのが…おっぱいに直接麻酔打った上で…以下略…中々エグかったです…。
なお、診療明細見たらばっちり「手術」って書いてありました。検査代もエグかった。そりゃね手術だもんね…。

 

因みに、検査後のおっぱいは内出血でまあ酷い有様でした。振動が響くと痛い。
虐待痕みたいじゃん!って1人でウケてましたが・笑

 

しかし、こういう検査ってほんとーに結果まで時間がかかるのですよね。
こっちの病院の初診から1ヵ月くらいだったでしょうか…悶々としながら、結果を待ちました。

 

「ええ、2ヵ所。初期の乳がんです。」(あっさり)

 

エェエエエエエエ。
こんなにあっさり言われちゃうもんなのぉ…???

 

まあ先生からすれば、何千人って単位で伝えてるでしょうし、もっと深刻な方も多いでしょうからそんなもんでしょうけれど。
あっさりしすぎて「ガンだガーン」なんて考える間もなかった。(昭和か)
なんか、こう。もうちょっと、ねえ!?(だから、昭和か)

 

あとは主治医の先生と相談してくださいね~。と言われて元の病院で入院・手術予約となりました。
この時点で、3月中旬。そこから手術の確定までは1ヵ月程度かかりました。

 

その間は、病気や保険のことをネットで調べまくりの日々を送っておりました。
出典元と掲載日をこれほど真剣に見たのは初めてだったかもしれません…笑
あと、情報を鵜のみにしないよう、淡々と知識を入れることを心掛けました。

 

…が、この時期はさすがにメンタルがキツかった。
なるべく、淡々とを心がけていましたが、悪い夢いっぱい見た。

 

というわけで、4/末に左乳房の全摘手術&10/末に乳房再建の2度目の手術(後述)をうけ、今に至っています。
初大病、初入院、初点滴、初全身麻酔。初づくしでしたねー。
蓋をあけたら結局4ヵ所あったそうですが、幸い切除のみ、抗がん剤ナシですみました。

 

今はすっかり元気です。というか、元々元気なんですけどね…不思議な感じです。
身体になーんの影響もないうちに見つかれば、この程度で済むんだなぁ~と実感しているところです。

 

▼アホではない余談 ハイ ( ゚∀゚)o彡゚ オッパイ オッパイ

 

・その① コロナの影響

手術期間は、第4波の最中。
術後の主治医曰く「いやー、この時期でほんとよかったわ。明日はどうなるかわからん」とボヤいてらっしゃいました。
(まさかΔでさらに追い込まれることになるとは…)

 

・その② 朝の回診

今回の手術は、乳腺外科と形成外科のお世話になりました。
朝の回診がぶつかると、10人ほどのお医者様が集まって様子を見てくださいます。
(おおお、テレビで見たやつだ~ほんとにぞろぞろ来る~)
主治医が「密だね!!」と笑ってました。

 

笑いごとじゃないよぉ…和むけど…笑

 

・その③ 偽ボイン

おっぱいを乳がんで全摘する場合、術後の状態を4つのうちから選びます。
①とりっぱなし ②偽乳(腹肉) ③偽乳(背肉) ④偽乳(人工)

 

全部、一長一短あるので、その中から選びます。
私は④でほぼ即決でした。

 

理由として
・復帰が早い(入院は9日間、2週間で仕事に復帰しました)
・趣味柄(歌をやってます)腹も背中も使う(おっぱいはオプションだよねぇ)
・残ったおっぱいが乳がんになったら、シリコンを抜ける

 

という理由でした。
 なお、主なネガティブ面としては、
・手術が1回で終わらない。
・10~15年後に、シリコンを入れ替えなくてはならない
ということがあります。

 

手術が1回で終わらない理由は、偽乳を入れる場所を整地する時間が半年ほど必要なんですね。
簡単に言うと、大胸筋(の下?)を水風船でちょっとずつ拡張し、最終的にシリコン製に入れ替えるのです。

 

さまざまな事情から、残っている胸より少し大きめに拡張し、最終的に残ったほうと大きさをあわせたシリコンを入れるのですが…。
拡張用の水風船にちょっとずつ、ちょっとずつ生理食塩水が増えていくにつれ…当然のことながら重くなっていきました。

 

おおお?今、左だけボインじゃ~ん!
…とケタケタと笑いながら、実際ボインさん重いだろうなあ~と思いを馳せておりました。(肩こり乙ですよ…)

 

ちなみに、
②の腹肉からの再建方法だと、ふくよかな方には喜ばれるそうです。お肉が減るから。ナルホドネー!!
リアルボインさんは、③の背肉からの再建方法ではできないこともあるらしい。背肉は薄いから。ナルホドネー!!
なお、④の人工乳房を選んだ私ですが、筋肉の位置が変わるので腕や胸の筋肉を動かした際に左右で違ってて面白いです。

 

しかし…人体の繊細なれど順応力の高さに驚きます。
わりとテキトーなんだな…(いや、医学がすごいのか…)

 

10/末に2度目の手術を終え、無事に左右そろった大きさになりました。(が、ちと問題発生。その⑪に続く)
なお、Before1→2のさわりごこちの違いは、ビーチボール→PCマウス用のアームレストになった感じです。手首が安らぐぷにぷに感。

 

・その④ 母との会話

この状況下ですので、付き添いは入・退院時のみということでしたが。
緊急事態宣言下の東京へ、高齢者の両親をわざわざ上京させるという選択肢はありませんでした。
こっちも、不慣れな都会にいる両親をフォローする余裕はさすがにないしね…。
「こんでよかけんね!一人で大丈夫やけん!」と母に伝えました。

 

福岡に住む両親は、この時点でワクチン接種のメドがたっていませんでした。
親としては付き添いたいけれど、東京に行くのは怖い…という逡巡が目に見えて、切ないというか申し訳ないというか…。
こういうやりとりをしなくてはならない、ということもコロナ禍の嫌なところでしたね。

退院後、故郷の老舗料亭製の好物 東坡煮が送られてきました。ありがたや。

 

・その⑤ 同意書

手術にあたっては、たくさんの書類やガイドをいただき、同意書にもたくさんサインをしました。
まあ、どれもリスクについての承認を求める内容になってます。エグい。

 

個人的に一番怖かったのが、全身麻酔の同意書でした。
スヤァして帰ってこれないってことやん…。
ということで、こりゃ経験者に話をきくのがよさそうだと、ヒアリングしてみました。

 

母   「いやー、久しぶりにぐっすり眠った感じだったよー」(不眠症状持ち)
同僚   「すごく気持ちよかったよー」
友人① 「出産時に麻酔抜かなきゃいけなくなって、痛みで死ぬかと」
友人② 「抜けるとき気持ち悪かった。薬中ってこんな感じかと思った」
友人③ 「幽体離脱した」(!!!)
Twitter 「寝て起きたら終わってる」

 

なにそれ…ちょっと…面白いじゃない…笑。

 

どんな体験できるんだろう?とドキドキしつつもわりと落ち着いて臨めたと思います。
さすがに、徒歩で向かった手術室の自動ドアあけるのに気合が必要でしたが…笑

 

実際は確かに寝て起きたら終わってました。わりとその後のことはしっかり覚えてて、病室戻ってからはウトウトと覚醒(&激痛)の繰り返しな感じでした。
(そういえば、次の日だったかな?麻酔科の先生が起きたときの状況を細かくヒアリングしにいらっしゃいました)

 

なお、入院中のベッドとの相性が悪く腰が痛かったです…ツラァ(そして、寝返りの度に激痛で悶絶)

 

・その⑥ マーカーでマーカーされる

手術前日は色々と検査だったり、準備があったわけですが。
形成外科の先生の準備というのが豪快で、油性マーカーで上半身に色々とガイドを書き込まれました。
ええ、おっぱいの形にまるーく…ウケル。他にもサイズとか左右とかめっちゃ書かれた。

 

色々とデジタル化されて進歩しているだろうに、こういうところはアナログなんだなぁ…(なお、10日ほどその入れ墨と過ごしましたとさ)

 

・その⑦ 健康保険

たいしたケガも病気もしない人生だったので、こういう時のお金どんだけかかんの?と戦々恐々。
と、思ったら。上限決まってるし、健康保険で結構返ってくるじゃん。マジ!?
会社にもよるのかもしれませんが、ひどく手厚くてびっくりしました。毎月保険料払ってる甲斐があるってものですね。ありがたや。
まあ、戻ってくるのに3ヵ月くらいかかりますけれど。

 

あと、掛け捨ての安いのでいいから。
医療保険はかけとけ。マジ。悪いこといわんから。

 

・その⑧ 感覚が戻ってくる

おっぱいの中身をとってしまった直後は、ほとんど感覚がなくなっていたのですが。
ちょっとずつ、戻ってくる。ということを聞いてびっくり。
神経回路が思い出すのか、つながりなおすのか?人体の不思議。

 

たしかに、直後はつねっても痛くなかったけど、今はちゃんと痛いです。
触覚、痛覚がわりと早く戻り、温感は遅いそうな。

 

・その⑨ もう1本

東京医科歯科大の検査にて。組織針のエグい検査中の話。
1回…2回…と数回実施されたわけですが、5回終わったあと…

 

先生「もう1本いっとく?」
私 「……ばっちこーい!

 

先生たちの爆笑をいただきました。
飲み屋でおかわりゆーとんやないぞ…笑

 

・その⑩ 山頂から山頂へ

私は左乳房とともに、左乳頭(チクビー)も切除しました。

 

再建の際に乳頭も一緒につくるのですが、残っている乳輪をぎゅっと縮めてそれっぽいものを作ると聞いてました。
乳輪を縮める場合、乳輪の足りないエリアは入れ墨で処理をするらしい。

 

が、手術前日になって先生から別の提案が。

 

形成外科医 「乳輪のバランスが左右でいい感じだから、右の乳頭からの移植にしよっかー?」
私     「入れ墨、移植とどっちがリスク高いスか?」
形成外科医 「ん~?移植はほんとまれーに付かないことがありますね」
私     「っえー、なら乳輪からのほうがよくないですか~?」
形成外科医 「でも、バランスは移植のほうがいいと思うんだよね~」
私     「…どっちでもいいですよ~。先生決めてくださいよー」
形成外科医 「う~ん~どっしよっかな~。部長に相談してみるね!」

 

…結果、術中にシリコンを入れたバランスで決めることに。
術後、酸素マスクが外れた後、そっと覗いてみたらば右のおっぱいにも大きいガーゼが貼ってありました。

 

退院後の検診にて、先生が「だいじょーぶかなー」と患部をめくっていたのが印象的でした。
一度だけ、半分しか定着しなかったことがある(!!!)そうで、未だにドキドキするそうです。怖えぇ~!

 

という訳で、無事に山頂が造成されましたとさ。

 

しかし、ほんと人間の体はテキトーだな!笑
まあ、でも植物だって接ぎ木できるし…まあおっぱいも自腹で作れるし。そんなもんか…。

 

・その⑪ 微妙に鏡餅

乳輪、乳頭の再建はうまくいったのですが。
ビミョーに乳袋の付け根に段差ができておりました。うっすら鏡餅っぽい段差とゆーか。

 

時間が経てば収まるのか?とおもっていたのですが、どーも狙ったところにシリコンが収まらず、後ろ側に落ちてしまってるらしい。
たまになる人がいるんだって。先生にあやまられちゃった(つまり、失敗なんじゃねーのこれ?)

 

…とゆーわけで、再手術確定(笑)
まあ、局所麻酔の軽い手術ですむようです。
傷増えちゃうけど、気になっちゃうからやってもらうほうがいいだろうという判断です。
まあ、誰に見せるもんでもないんだけどねぇ…笑
あ、有給ないから、春以降にしますw

 

・その⑫  細切れ

がんの進行の程度は、実際は切除の後で、病理検査の後に確定します。

 

がん診断の時点では、ステージ0(浸潤なし、上皮内新生物)とのことでしたが、確定するまでの1ヵ月間はとても不安でしたねー。
幸い、ステージ0で確定。抗がん剤もナシで本当にホッとしたのを覚えてます。

 

病理結果は白黒でしたが、切除後に検査の為に細切れになった自分の乳房と乳頭が写っていました。
エグいなーと思いつつ、戦いの記録だーと実感しました。


+++

 

関係者の皆さんには、大変ご心配をおかけしました。

 

こういうことって、結局伝えてもしゃーない(自分ががんばるしかないので)ことだけど、近しい人には伝えたほうがいいかなー…などと思ったりもして。バランスが難しいですね。

 

伝えた友人たちは「困ったらすぐ行くからね!」とか、メンタル病んでたと伝えたら「言ってくれればよかったのに!水臭いわ!」とか、声をかけてくれて、本当にありがたかったです。

 

直接会った人には、啓蒙含め友人・知人含めちょこちょこと話をしているのですが、驚くのは「わたしもー」という人がけっこういらっしゃることです。
ほんとに、身近な病気の一つなのだなあと実感しますね。
まあ、そうだよね。日本人の半分はがんになるんだもんね…

 

こういうことを全部1人で乗り越える、というのもいい勉強になりました。
なんか、覚悟が少しできたような感じ。身体とか加齢とかね・笑
少し強くなれたかな。

 

なお、現在本人はいたって元気です。お酒も飲んでます!笑
今年はもう、生きてるだけ万々歳。合格!な気分です。

 

私は衝撃のキッカケから、2年の経過観察を経てこのような結果になりましたが。
検査を受けていれば、初期で見つかる可能性も高く、予後も軽く済むので。
ほんと、面倒だけど、検査受けましょうね…。(マンモ痛いけど…笑)
ということをお伝えできればなーと思った次第です。
(あー消化器系の内視鏡も受けなきゃな~<未経験)

 

というわけで、わるいおっぱい。これにて完結!
お読みいただき、ありがとうございました!

 

ハイ ( ゚∀゚)o彡゚ オッパイ オッパイ